土屋正忠元代議士のブログおよびツイートについて

土屋正忠元代議士は、2021年10月21日に「菅直人元総理、3.11福島原発事故で冷却のための海水注入にストップをかけ、日本を危機に陥れた人物」と題する文章をブログに掲載し、ツイートしました。

ブログの趣旨は、東日本大震災で福島原発が全電源喪失により冷却できなくなった際、いったん始まった海水注入を菅直人が指示して中止させようとしたが、これが実行されていれば福島原発の原子炉全部が制御できなくなり、日本の3分の1が放射能汚染されていただろうというものです。

しかし、これは事実ではありません。海水注入は2011年3月12日19時4分に始まりましたが、そのことは官邸には知らされていませんでした。同日18時前から、菅直人をはじめとして、経済産業大臣、原子力安全委員長、原子力安全・保安院の幹部、東京電力の幹部らが協議していましたが、原子力安全委員長が海水による冷却を提案し、これについては菅直人をはじめとする政治家も全く異論はありませんでした。したがって、いったん始まった海水注入を菅直人が指示して中止させようとした事実も、海水注入が中止された事実もまったくありません。

詳しくは「福島原発事故」特設ページ「海水注入」の真相(3月12日)をご覧ください。

しかし土屋氏が発表したブログは、事実と異なる内容を伝え、ツイートは菅直人を「日本を危機に陥れた人物」と決めつけています。しかも土屋氏がブログおよびツイートを発表した2021年10月21日は、衆議院選挙の選挙運動期間中です。また土屋氏は、同選挙において東京18区から出馬している長島昭久候補の推薦人となっており、同じ東京18区に菅直人も出馬していることに照らせば、土屋氏の行為は、公職の候補者である菅直人を当選させない目的で、虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にしたものと認められます。

公職選挙法
(虚偽事項の公表罪)
第二百三十五条
2 当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。

衆議院議員選挙の投票日は2021年10月31日であり、それまでの間ブログおよびツイートが広く市民の目に触れたままでいるならば、選挙の公正を妨害する恐れはさらに強まります。

したがって菅直人は2021年10月25日、土屋氏に対してブログおよびツイートの削除と菅直人への謝罪を要求する催告書を弁護士を通じて送付しました。

土屋氏からの回答書を2021年10月28日に受け取りましたが、削除も謝罪もしないとの回答でしたので、改めて上記のように経緯をご報告いたします。

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