「技術大国」復活で中国に対抗

4月の日米首脳会談では「中国にどう向き合うか」が大きな焦点となりました。しかし、安全保障面における日本の国際貢献には、憲法上も限界があります。それに、たとえ領土を守れても、技術や市場を完全に中国に依存する状況になってしまえば意味がありません。日本はかつての「技術大国」を復活させ、技術力で中国に対抗していくべきです。

日本は2010年ごろにGDPが世界第3位に転落し、その後、米国と中国にどんどん差を広げられています。デジタルの世界では、いわゆるGAFAに大きく後れを取っていますし、懸案のコロナ禍では、国産のワクチンすら開発できていません。

私も強い関心を持っている自然エネルギーの分野では、かつて日本が世界をリードしていた太陽光発電の世界市場は現在、中国企業に上位を独占されてしまいました。リチウムイオン電池は、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生が発明し、旭化成とソニーが商品化した日本の技術ですが、現在は中国や韓国企業に追い抜かれています。

日本の技術を今後どのように守り、育てていくかは大きな課題です。

まず、政府がしっかりと将来ビジョンを示し、インフラを整え、企業が投資に踏み切れる環境を作る必要があります。エネルギー分野では、現政権はいつまでも原発に固執し、自然エネルギーで発電した電力の送電網の利用を制限しています。企業は事業を展開したくてもできず、もたもたしているうちに、日本はこの分野で世界に大きな後れを取ってしまったのです。蓄電池の導入も、再生可能エネルギーとセットにして政府が指針を示せば、今からでも世界に勝てる可能性があると考えます。

コロナワクチンについて言えば、米国のファイザー社やモデルナ社のRNAワクチンは新しい技術が使われており、イノベーションの塊です。ワクチン開発に用いられた基礎技術を確立するために、製薬会社をしっかりと支えるような国の制度と投資環境が、米国にはあるのです。

日本はどうでしょうか。政府の政策的な後押しが、決定的に足りません。もともと、再生医療は日本発の技術です。こういった技術を大切にして、実用化できるようにしっかりと後押しすべきです。

日本は、経済・科学技術の分野で再び世界をリードすることによって、世界の平和と安定に貢献する道を選ぶべきです。

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