ウイルスは総理を忖度しない

コロナ禍の発生から1年以上が過ぎた今も、感染拡大は収まる気配を見せません。さまざまな理由があると思いますが、最大の原因は、安倍・菅(すが)政権が初動の段階から、PCR検査を軽視したことにあると考えています。発生当初ならともかく、1年以上が経過した現在も十分な検査体制が構築できていない政治の責任は大きいと考えます。

感染拡大を抑え込むためには、全国民に対して一定期間ごとに検査を繰り返し、感染が判明した人を2週間程度隔離することが効果的です。多くの専門家がこうした見解を表明しています。厚生労働省もそれを理解しているはずです。

にもかかわらず、1年がたってもそれが実現しないのは「発表される感染者数の増大を菅義偉総理が嫌がっているから」という説があります。官僚や専門家がそんな総理に忖度して、検査の徹底を妨げているのではないか、と言われています。あるいは、総理にとって好ましくない専門家の意見を、側近政治家などが握りつぶしているのかもしれません。

そうだとしたら、もはや菅(すが)総理の存在そのものが、コロナ対策の障害ということになるのではないでしょうか。菅(すが)総理は官僚を忖度させる術では極めて有能かもしれませんが、ウイルスは決して総理を忖度してはくれません。

英国では4月から、イングランドの全住民に対し、30分で結果がわかるウイルス検査を週に2回、無料で受けられるようにしました。陽性が判明した場合は家族とともにに自主隔離し、PCR検査を受ける仕組みだといいます。日本でも広島県が検査に積極的に取り組んでおり、広島市と福山市の約1万7千社で働く約56万人を対象に、今月中にPCR検査を実施することを発表しました。政府もその気になれば、もっと前向きな取り組みができるはずではないでしょうか。

菅(すが)総理は最近、東京五輪・パラリンピックに参加する選手に毎日検査を行うなどの厳格な感染対策を行うことで「国民の命と健康を守る」考えを強調しています。順番が逆です。まず国民に十分な検査を行うことを優先させるべきでしょう。

菅(すが)政権の危機管理能力が決定的に欠如していることは、もう誰の目にも明らかです。新しい、本物の危機管理内閣をつくることが必要な段階に来ています。

 

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