コロナ危機、人類そして日本は困難を乗り越え教訓を生かせるか
歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏や磯田道史氏から、いくつかの歴史的選択ともいえる重要な問題提起がなされています。私なりに解釈すれば、このコロナ危機が一段落した後の世界がどういう道をたどるのか、その中で日本がその教訓をどう生かして将来像を描くことができるのか、という提起です。
人間は歴史上、幾度となく戦争を繰り返してきました。核兵器の出現で、大規模な戦争が起これば人類の大半が死亡することが誰の目にも明らかになりました。広島・長崎の被爆から75年にわたり核戦争が起きなかったのは、核戦争による人類の滅亡という恐怖を共有してきたからです。
しかし、人類史の専門家によると、一度に大勢の人間が死ぬのは、戦争以上に感染症だということです。そして今回のコロナ感染拡大によって、感染症は国家単位では拡大を防げないことが改めて証明されました。
現在、世界の政治リーダーの一部から、感染拡大の責任を他国や国際機関に押しつけ、追及するかのような姿勢がみられます。感染拡大の原因究明は必要ですが、他国に対する責任をいくら追及しても、コロナを克服することはできません。コロナ克服という人類的目標を実現するには、国際協調以外に方策はありません。
コロナ危機を乗り越えて今後の教訓とできるかどうか、人類全体が岐路に立っています。外出の制限はつらいところではありますが、この時間を少しでも有意義に使い、これからのことをしっかりと考えたいと思います。
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