伊方原発運転差し止め

愛媛県の四国電力伊方原発3号機に対して、広島高裁が運転差し止めを命じる決定をしました。活断層や火山のリスクを考慮し、安全性を重視した判決が出されたのは喜ばしいことです。

地震や火山の噴火に限らず、自然災害が原発にもたらす被害は想像を絶しています。私が総理として直面した福島原発事故では、多くの危機が同時多発的に発生しましたが、忘れられないのは、定期点検中で最も安全と思われていた4号機までもが危機的状況に陥ったことです。
4号機の原子炉の中の核燃料は隣の使用済み燃料プールに移されており、心配はないとされていましたが、核燃料の崩壊熱でプールの水が急速に蒸発して水位が下がり、プールの中でメルトダウンが起こる寸前という状況に陥りました。いくつかの幸運が重なり、そのような悲惨な事態は避けることができましたが、私はこの幸運を「神のご加護」としか思えませんでした。
もしもあの時、格納容器の外にあるプールでメルトダウンが起きていれば、膨大な放射性物質が放出され、東京を含む東日本は壊滅的な被害を受けていたでしょう。おそらく、人が長期間住めなくなっていたはずです。

もう誰の目から見ても、原発は諦める時が来ています。先週のブログにも書いたように、人間が必要とするエネルギーは、原発や化石燃料に頼らなくても、太陽光や風力などの自然エネルギーで十分賄えます。あとは政治の決断だけです。

メニュー