もし、ベントが遅れた格納容器が、ゴム風船が割れるように全体が崩壊する爆発を起こしていたら、最悪のシナリオは避けられなかった。
しかし格納容器は全体としては崩壊せず、2号機ではサプレッションチャンバーに穴が開いたと推定されている。原子炉が、いわば紙風船にガスを入れた時に、弱い継ぎ目に穴が開いて内部のガスが漏れるような状態になったと思われるのだ。
その結果、一挙に致死量の放射性物質が出ることにはならず、また圧力が低下したので外部からの注水が可能となった。
破滅を免れることができたのは、現場の努力も大きかったが、最後は幸運な偶然が重なった結果だと思う。
4号機の使用済み核燃料プールに水があったこともその一つだ。工事の遅れで事故当時、4号機の原子炉が水で満たされており、衝撃など何かの理由でその水が核燃料プールに流れ込んだとされている。もしプールの水が沸騰してなくなっていれば、最悪のシナリオは避けられなかった。まさに神の御加護があったのだ。


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