今日の一言

本末転倒


  野田政権は大飯原発の再稼働を「妥当と判断した。その大きな理由として今年夏の電力不足への配慮が挙げられている。しかし、あらゆる努力をしても本当に電力が不足するのか。


 昨年の夏も似たような論理で再稼働を求められたが、国民の理解を得て乗り切った。この1年で停止した原発も増えたが、同時に企業が自家発電などの自己防衛の努力も増えている。


 地震に備えて、病院などの自家発電機を備えたり、スマートメーターを入れて、夜間電力を値下げしたり、家庭用蓄電池にエコポイントをつけて普及を促したりして、ピークカットは相当に可能。


 電力会社とそこに融資している銀行などの経営上の観点から再稼働を促す動きがあるがこれは本末転倒だ。

国政選挙


 昨日、「脱原発ロードマップを考える会」が民主党の40名の議員本人出席で設立された。呼びかけ人や賛同人を合わせると60名を超える。


 飯田哲也氏の記念講演では、「リスク・便益」に留まらない原子力事故の破局性、「倫理」の観点で脱原発を決定したドイツ、といった興味深い話が聞けた。再稼働に関しても安全性を担保する体制が整っていないこと、電力需要を大きめに予測していることなどの指摘があった。


 企業は省エネや自家発電など自己努力を進めており、電力会社の需要予測は、再稼働を進めるためにバイアスがかかっている様に思える。


 平岡事務局長からは、改めて、脱原発ロードマップのたたき台が示された。


 私は、エネルギーの選択は、最終的には国民が決めるでありべきであり、次回の国政選挙をその機会にすべきだ、と述べた。

現在までに判明したこと



 昨年、日本人は自国で極めて重大な原発事故を経験した。これを、日本人一人、一人がどう受け止めるか、問われている。


 今回の原発事故で、現在までに判明したことだけでも大変なことだ。

①全電源喪失に対して、何の備えも訓練もしていなかったこと。

②事故の拡大により、首都圏からの避難が必要となり、日本が国家として機能不全に陥る可能性があったこと。

③使用済み燃料の行き場がなく、原発の建屋内のプールに大量に貯蔵されていて、大量の放射性物質の拡散の危険性があったこと。


 これらのことをどう考えるのか。日本の原子力技術を過信していただけでなく、原発に関係する組織や人材があまりにも欠陥だらけだったことは明らか。「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」では済まない。


 原発が稼働しないとわが国の経済に深刻な悪影響が生じると声高に主張する人がいる。本当にそうだろうか。

 原発の存続で、収益を受ける原子力村の人たちではないか。


 4月12日、「脱原発ロードマップを考える会」が正式に発足する。

脱原発か原発維持か


 原発、エネルギー問題が大きな政治課題になってきた。自民党は原発政策は10年間検討と言っている。昨年3.11にあれだけ大きな原発事故が起きていながら、これまで原発を積極的に進めてきた自民党が、何の方向性を示さないのは無責任であり、「逃げ」と言われても仕方がない。


 原発に対してどういう姿勢をとるか、次の国政選挙ですべての政党に問われる。エネルギー政策は最終的にはエネルギーを使う国民が決めることだからだ。


 各政党は、脱原発か、原発維持か、そのロードマップを示し、国民の判断に供すべきだ。


 今週12日には、民主党の有志で「脱原発ロードマップを考える会」を旗揚げする。

ロードマップ


「 脱原発ロードマップを考える会」が今月12日に正式に発足する。記念講演を飯田哲也さんに依頼。国会議員の呼びかけ人も50名を超えそう。


 ドイツは2022年までに原発の稼働を全部止めることを決めた。わが国の場合、どのようなロードマップが可能か、議論を深める必要がある。


 目標を決めればそれに向かう努力に力が入る。遅れている風力や太陽光発電、バイオマスの利用に拍車がかかる。


 若い世代の関心も高い。私の目の黒いうちに、脱原発を実現したい。

若い世代


 昨日は、地域自治体から脱原発を実現していくという活動をしている「武蔵野エネルギーシフト」という若い世代の会合に飛び入り参加。私自身が市民運動を始めた20代の頃を思い出した。


 原発をやめるか、存続させるか、を最終的に決めるのは主権者である国民。特に若い世代はこれから長く生きてゆくだけの影響は大きい。


 太陽から地球に降り注いでいるエネルギー量は膨大。うまく活用すれば原発がなくてもエネルギーは十分に足りる。これまでは、原発を推進するために原発関係者が自然エネルギーの活用を妨害してきた。


  今年こそエネルギーシフトの元年にしなくてはならない。

森林・林業調査会


  私が会長を務める民主党の森林・林業調査会が動き出した。国土の七割近くが森林に覆われている日本だが、これまで十分活用されてこなかった。


 日本の中には広い意味での木材需要はある。しかし、建材、合板、ペレット、パルプ原料といった需要に対し、総合的に効率よく木材を供給できる山はほとんどない。


 間伐にしても、木材生産のために行うというより、補助金がついたところだけ行われ、それも切り捨て間伐で材としては活用されていないケースが多い。


 川上からだけ森林を考えるのではなく、川下、つまり需要の側からどういう形で供給されれば商品として活用できるかを考える必要がある。


 木材利用が再生可能エネルギーとして意味を持つのは、最終的に燃やされてCO2を放出しても、植樹した木が育つときにCO2を吸収するからだ。


 石油などの化石燃料に代えて、バイオマス・エネルギーを活用することの意味はここにある。

ピークカット


  原発再稼働に慎重な意見が高まっている。再稼働がなされないと電力が不足すると電力会社は言う。しかし、どういう努力をするつもりなのか。


 例えば、夜間電力料金を大幅に下げて、昼の電力消費を抑えればピークカットに大きな効果がある。そのためには時刻による電力消費が積算できる「スマートメータ」を各戸に取り付ける必要がある。


 更に、家庭用蓄電池を普及させ、夜間電力を蓄えて昼間使えば、揚水発電と同様な効果がある。


 電力会社は「電力不足」を声高に主張して、核廃棄物や原発事故を無視すれば短期的には燃料コストの安い原発に戻ることを目的としているように思える。

脱原発ロードマップと国政選挙


 原発の再稼働問題や原発の寿命が大きな課題となっている。これらの問題は、地震・津波に対する対策や材質の劣化など、安全性に関する技術的判断が基本となる。


 これに対して、脱原発のロードマップは、主として、原発からの脱却をいつにするかという国民の意志による。脱原発の国民的意思が明確になれば、再生可能エネルギーに力が入る。


 昨年12月ドイツに出かけ、2022年までに脱原発を実現するというドイツ政府の方針がいかにして決まったかを聞いた。福島原発事故の直後に行われた州の選挙で、早い時期での脱原発を主張した緑の党が大躍進をしたことが大きく影響していることを知った。


 これまで長年、原発拡大政策を積極的に進めてきた自民党は、今後の原発政策について口を閉ざしている。原子力安全保安院を、原発推進の経産省に合体させ、安全性の判断をゆがめる「やらせ」までやっていたのは自民党政権の時だ。


 来年の秋までには衆参国政選挙が必ずある。私は、民主党はしっかりした脱原発ロードマップを示して、国政選挙に臨むべきと考えている。

車の両輪


 脱原発と再生可能エネルギーは車の両輪だ。脱原発を実現するためには原発に代わる、できれば化石燃料にも代わる、再生可能エネルギーでどこまで必要なエネルギーを供給できるかが重要。


 このためには再生可能エネルギーを促進する法律、制度、そして民間企業などによる技術革新が必要。


 脱原発は技術的な問題というよりも、最終的には国民の意思だ。哲学の問題ともいえる。私が総理の時にお願いした、復興構想会議の最初の会合で、梅原猛先生が「原発事故は文明災だ」と看破された。


 国民の大多数は原発に大きな疑問を持っている。しかし、「原発がなくてはエネルギーが不足して日本経済がダメになる」と言われると多くの人は戸惑ってしまう。


 しかし本当は逆なのだ。つまり、原発を進めたいと考えた勢力が再生可能エネルギーの開発や普及を妨害してきたのだ。私は約30年前の一年生議員のころから、風力発電などに興味を持って、国内外を視察し、国会でも取り上げた。しかし当時の「風トピア計画」を担当していた科学技術庁も、風力発電の試験機を三宅島に設置していた東電も、結局、風力発電は効率が悪くて実用にならないという結論を出した。


 その結果、ヨーロッパなどに比べ、日本では、風力や太陽光発電の普及が大きく遅れた。今年が勝負の年だ。あらゆる政策を動員して、原発にも、そして将来は化石燃料にも頼らない日本を実現するスタートの年にしなくてはならない。

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