今日の一言

政局議論ばかりの国会


  国会の様子を見ていると、相変わらず解散はいつかといった政局議論ばかり。


  解散は国会議員にとっては重要なことでも、任期満了まで1年となった今、その間に必要な政策課題は進めてほしいというのが国民の常識的判断だ。社会保障と税の一体改革が成立したうえで、共通番号制や衆参の定数是正など重要な課題が残っている。


  民主、自民共に2大政党間の政権交代を前提とした政権運営に習熟していない。イギリスでは選挙で政権交代すると、次期総選挙は5年後と新総理が明言し、野党もそれを当然のこととして認める。野党は5年後の総選挙に備えて、新しいリーダーを決める。


  日本では長く自民党中心の政権が続き、国会での野党の活動は自民党政権をいかに倒すかに重点があり、私もその先頭に立っていた。しかし本来、国会は国民に政策課題の問題点を明らかにしたうえで、政策を決定する場。私自身の反省を込めて言えば、国会は単に政権を倒すために政局を仕掛ける場ではないということ。


  2大政党による政権交代を常態化するためには、民主党、自民党両党が政局中心の国会から本当に国民にとって必要な議論をし、政策を決めていく国会にしてゆかなくてはならない。。

8月29日の院内集会


  今週水曜日の8月29日、「脱原発法について考える院内集会」が開かれる。大江健三郎さんなど1000万人署名のグループ、坂本龍一さん、反原発訴訟の弁護団など幅広い人々が結集して、「脱原発法」制定を国会議員に提案する集会だ。


  今日の朝日新聞には原発ゼロの主張が国会議員の中でも半数近を占めるとの報道。一方で、経済界などを中心に「原発ゼロ」は現実的でないとのキャンペーンを張っている。エネルギーの選択は国民の選択だ。3・11原発事故が現実に起きたにもかかわらず、従来的なコスト論で原発ゼロを批判するのは間違っている。


  今日のテレビ番組で、自民党総裁選出馬に意欲を示している自民党の有力議員が、原発については総選挙の争点にすべきでないという趣旨の信じがたい発言。本音は「原発維持」だが今はそれを明らかにしたくないというのなら、長年原子力政策を中心的に進めてきた自民党として、これほど無責任なことはない。原発事故にもかかわらず、これまでと同様な原発推進が必要だというのなら、その理由を含めて国民に明らかにすべきだ。

脱原発の動き


  今日も脱原発でいろいろな動きがあった。一つは民主党に「エネルギー環境調査会」が正式の発足した。民主党として原発政策を議論する場で、私も顧問として参加。私からは、3・11原発事故が首都圏を含む広い範囲から3000万人の避難という重大な危機に紙一重であったことを、議論のスタートにすべきと述べた。


  また自治体議員脱原発集会が国会内で開かれ、私も現状報告をした。


  更に、今月22日に発足した「脱原発法制定全国ネットワーク」が来週29日に賛同する国会議員の集まりを開くこととなり、参加を呼びかけた。2020年から2025年のできるだけ早い脱原発の実現と、再処理や高速増殖炉からの撤退を内容とする「脱原発法」を制定する動きが本格化する。29日にどのくらいの議員が集まるかが、今後の運動にとって極めて重要だ。


  政府によるパブリックコメントなどの集計でも、原発ゼロを求める声が圧倒的。

野田総理との面会と脱原発法制定の動き


 昨日、野田総理と官邸前で再稼働反対運動を続けている「首都圏反原発連合」のメンバーとの面会が実現した。私も同席した。野田総理はその場で、「基本的な方針は脱原発依存だ」と明言。反対運動メンバーからの再稼働の停止や原子力規制委員会の人事案撤回については話を聞くという姿勢であった。


  3・11原発事故以来、全国で自発的なデモや集会が拡大する中で、その象徴と言える官邸前の反対運動のメンバーから野田総理が直接話を聞く機会が実現したのはよかったと思う。


  昨日はもう一つ、、「脱原発法制定全国ネットワーク」の発足の記者会見が行われた。大江健三郎さんや全国の原発訴訟の弁護団など幅広い人たちが結集した全国ネットワークだ。脱原発法の制定を求めていくとして、法案の要綱も発表された。国民投票に代わって国会で「脱原発法」を議論し、決めることができれば画期的だ。


  自民党議員も、3・11原発事故の直後は「脱原発は当然」といった発言が出ていたが、最近では「10年間考える」とか「3年間再生、省エネに努力する」と言うだけで、自民党からは原発をどうするかという方針は全く示されていない。中曽根元総理など原発政策を長年、中心的に推進してきたのは自民党であり、その自民党がだんまりを決め込んでいるのはあまりにも無責任だ。本音は「原発維持」と思われるが、そうならばなぜそうなのかを明確にすべきだ。

核燃料サイクルの見直しをけん制するのは行き過ぎ


  青森県の三村知事が核燃料サイクルの見直しについて5閣僚に要請という報道。これまでの国の原発政策に協力してきた青森県知事として意見を言うのは理解できる。


  しかし、3・11原発事故が発生して、今後の原子力政策の在り方を根本から議論している中で、核燃料サイクル政策の見直し議論も当然土俵に上げなくてはならない。それに対して核燃料サイクルの見直しにつながる「原発ゼロ」を選択した場合には県内で保管している使用済み燃料を戻すといった形で「原発ゼロ」をけん制するのはいきすぎだ。


  シビアな原発事故は起きないことを前提とした、これまでの原子力政策の根本的見直しは必要。使用済み燃料が各原発に送り返されると困るから、従来通り原発をすべて稼働させ、再処理も従来通り進めるというのは本末転倒だ。核燃料サイクルを見直す場合に、これまで協力いただいた地域に対して配慮が必要なことは当然だ。しかし、3・11原発事故を踏まえ、全国民が関係する原子力政策の議論まで制約するのは、おかしい。

林業再生とバイオマス発電


  再生可能エネルギーでは太陽光と風力発電が注目されているが、もう一つバイオマス発電に注目してほしい。


  日本は国土の約7割が森林で、戦後植林した杉やヒノキが成長している。しかし日本で利用されている材木の7割以上は外国産。その理由は、森林の集約、作業道の整備、機械化などが決定的に遅れ、生産性が諸外国に比べ極めて低いためだ。補助金で行う間伐も、搬出に費用がかかるため、多くは切り捨て間伐で木材は出ない。


  今回のFIT(固定価格買い取り制度)では、間伐材によるバイオマス発電について比較的高い価格を設定した。そこで、バイオマス発電をてこに、日本林業を再生させようという動きが、各地で出てきている。広大な社有林を有する製紙会社や合板メーカーなども動き出した。


  林業や農業、牧畜などと再生可能エネルギーは相性が良い。いろいろな形での兼業が可能だ。

原発危機・官邸からの証言


  原発事故当時、内閣官房副長官として官邸で原発事故対応の最前線に立っていた福山哲郎君が、「原発危機・官邸からの証言」という本をちくま新書から出版。


  福山君は後に「福山ノート」と呼ばれる4冊のノートに事故発生当初からの覚書を走り書きで残していた。この本は、当時の事柄が正確に記録された福島ノートの記録の基づいており、まさに「官邸の真実」の記録と言える。多くの方に読んでほしい。

原子力部門の切り離し


  東電が福島事故後、六ヶ所村に多額の寄付を東通原発建設費の名目で支出との報道。東電は原発事故の補償など自力ではできず、国の支援を受けているにもかかわらず、従来の「原子力ムラの主」の姿勢を変えていない。テレビ会議の記録の全面公開を拒否する姿勢も同じだ。東電改革の道筋をつけなくては、電力改革はスタートできない。


  その最初は原子力部門の切り離しだ。民間企業が原発事故に全責任を持つことができないことが、今回証明された。国が「原子力公社」を作り、そこの民間電力会社の原発を買い取ることから始めるべきだ。そうすれば、原発について、電力会社の経営問題と切り離して、国全体の問題として、国民の参加で判断し、廃炉など脱原発に必要な技術開発もここが担うことにすればよい。


  「脱原発」を前向きに進めていく体制づくりは、過去の経緯を見ても電力業界にべったりの自民党には難しい。どうしても民主党政権下で道筋をつけなくてはならない。

二大政党間の政権交代


  二大政党間の政権交代の在り方を考えている。


  戦後、長く自民党政権が続き、1993年に初めて、日本新党、新党さきがけ、社会党、新生党、公明党、民社党、社民連など7党で、「非自民」連立政権を成立させた。しかし、二大政党間の政権交代ではなかった。


  その後、再結集して野党第一党の民主党が生まれ、議席を伸ばし、2009年に自民党政権から民主党政権に交代した。つまり、3年前の政権交代は、戦後初めての二大政党間の政権交代なのだ。 逆に言えば、自民党にとっても3年間の野党は初めての経験だ。


  イギリスでは二大政党間で選挙で政権交代があると、新政権は5年間の任期を務め、5年後に総選挙が行われるのが慣例となっている。野党も5年後に備えて新しいリーダーを選ぶ。


  しかし日本では、政権を攻撃し、一日でも早く倒すのが野党の務めという風潮が強い。そのため、野党時代の私自身の反省も含めて言えば、国会でも「政局」ばかりが重視され、日本として必要な政府の外交活動や政策遂行の足を引っ張るケースも多い。二大政党間の政権交代が成熟していない一例だ。

脱原発法


  国会で脱原発の方針を決める「脱原発法」の動きが活発化している。ロードマップを考える会ではすでに法案を用意しているが、幅広い賛同を得るには国民的な運動が望ましい。今国会中に共通の法案がまとまり、国会に提出できれば、すばらしい。


  社会保障と税の法案が成立した後の最大の政治課題である原発問題に対して、自民党は相変わらずだんまりを決め込んでいる。長年原発推進の立場にあった自民党が3.11の原発事故を経験して、変わるのか、変わらないのか。この点をあいまいにしたまま選挙を戦うことはできない。

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