今日の一言

現世と来世


 池澤夏樹氏の「すばらしい新世界」を読み進んでいる。


  その中で「科学技術が一種の宗教だというのは案外当たっているのかもしれない」と主人公が語っている場面が出てきた。同時に「やはり問題は、この宗教には来世思想が全くないことだ」と、作者は主人公に述べさせている。


  道徳的な生活を勧める運動など宗教に類似した活動集団があるが、「来世思想」の有無が宗教との違いと説明を受けたことがある。


  私自身は「来世」の存在を信じてはいない。しかしだからと言って、自分が死んだ後の世界がどうなってもよいとは、もちろん思わない。「孫に原発を残さない」と考えるのも、来世は無くても次の世代が我々世代を引き継いでくれる事は信じられるからだ。


  いま問われている原発の問題は、こういう種類の問題だ。経済も重要。雇用も重要。しかし、我々世代の現世利益だけで考えてよい問題ではない。「来世」が有っても無くても、次の世代に引き継いでもらわなくてはならない現世を、引き継ぐに値するものとして残したい。

創造主


  この連休中、池澤夏樹氏の「すばらしい新世界」を読み始めた。オルダス・ハックスレーの本と同名。


 ハックスレーは、人間の幸福を政治的な徹底管理手法で実現した時の非人間性を、逆ユートピアとして描いた。子供のころ父から話を聞き、私の考えに大きな影響を与えた。


 比較的最近になって、妻伸子の勧めもあって、池澤夏樹氏の書いた文章はよく読む。直接会って話をしたこともある。しかし長編の小説を読むのは初めて。主人公が風力発電を制作する技術者で、ネパールに出かける話。主人公も作者も理系の技術者というところで何か妙に共感するところがある。


 科学技術を知るということは、ある種の思想体系を知るといえる。宗教や哲学と違うが、一種の思想である点では共通だ。人間が科学技術という思想をどう受け止め、どう対応するかが問われている。


 46億年前誕生した太陽系。地球上のエネルギー源で、地熱を除けば、太陽によらず人工的にエネルギーを生み出すのが原子力。地球上の生物も、太陽がなければ生まれておらず、その意味で、太陽は全ての生物の創造主、「神」である。


 科学技術は、人間を生み出した太陽という「神」から離れ、独立する技なのか。それとも太陽と共存する技なのか。私は共存する道を選びたい。。

孫に原発を残さない同盟


団塊世代も孫を持つ世代。孫に原発を残さない同盟を考えている。長年の友人で市川房枝選挙以来の同志の長谷川俊英氏にも相談を持ちかけている。

 

大学で、職場で、近所で、猫の話題と同じように脱原発を話し合おう。誰かに期待したり、誰かを批判するのではなく、自分ができることを実行し、その事を話題にしよう。

 

議員の皆さんへの忠告をひとつ。

原子力村はなかなかしたたか。多くの議員の心理は敵を作らないこと。原子力村はそこを突いてくる。小泉さんのように、わざわざ敵を作ることまで勧めないが、敵ができることを恐れると、何時の間にか原子力村に取り込まれる。これは私自身の反省。

原発事故の根本原因



 

  5月に入った。緑がまぶしい。


  ドイツやデンマークでは、なぜ「脱原発」を決めることができたのか。国民が自分たちが決める主権者であることことを自覚し、議論と行動を起こしたからだ。


  翻って、日本はどうだろう。「脱原発」では主体的に議論と行動を起こしている人も多い。しかし、大半の人は誰かに「期待」したり、誰かを「批判」したりしているだけで、自分だけでもこうするという主体的な行動や発信は少ない。そして、多くのマスコミも政治家や政党を「批判」することには熱心だが、国民の草の根的な動きを紹介する事にはあまり熱心でない。


  私は「脱原発」の行方は来年の3月11日の、福島原発事故2周年までが勝負だと考えている。世界最大の原発事故をを引き起こした日本が「脱原発」を決められるか、それとも元の木阿弥に戻っていくのか問われている。


  原発事故の根本的原因を調べる上で、インタビューやヒヤリングを求めるべきは、原発を作ってきた人、つまりこれまで長年、原子力政策を強力に推進してきた政治家、官僚、経済人だ。


  しかしこうした長年、原発を推進してきた有力者は沈黙を決め込んでいる。そして、脱原発派に対し、「脱原発は無責任」というキャンペーンで圧力をかけている。


 原子力村はまだ健在だ。国民との力比べだ。

(続)原発事故の根本原因


  福島原発事故の根本原因の大半は3.11以前にある。


  福島第一原発は約40年前、海岸沿いの海面から35メートルの高台を海面から10メートルの高さまで削って建設された。海水の汲み上げが容易という経済的理由だ。しかし、歴史の本を読めばこの地帯は何十年か何百年かおきに大きな津波が来ることは知られていた。東北電力の女川原発は、建設当時、東北出身の幹部の強い主張で高いところに建設されたということだが、東電の当時の幹部は津波の歴史を無視した。


  原発の安全性に責任を持つ原子力安全保安院が、原発を推進する経産省に置かれたのは、橋本行革という名のもと科学技術省が文科省に統合され、科学技術省にあった原子力安全局が経産省に移された時からだ。原子力安全保安院が安全性をないがしろにする「やらせ」を主導していたことはすでに明らかになっている。


  福島原発事故の根本的原因を知るためには 昨年,3.11の時点で責任ある立場にいた人だけでなく、福島原発をはじめ、多くの原発を建設し、原子力安全制度を作った当時、責任ある立場にあった人に話を聞く必要がある。


  私が厚生大臣の時に薬害エイズ問題の原因解明に取り組んだが、薬害エイズの原因となった血液製剤開発当時からの関係者、責任者も当然調査の対象とした。


  今回の福島原発事故では、事故発生当時の関係者からの取材や調査は行われているが、原発を作り、原子力安全制度を作った当時の責任者の話は伝わってこない。

子供たちへ、時任三郎・世界電気の旅


  今日朝、NHKの「子供たちへ、時任三郎・世界電気の旅」を偶然見た。


  チェルノブイリ原発事故の時に始まった、ドイツの小さな町で、原発に頼らない自前の電力会社を作る話。石油危機の時、原発の建設を国民に問い、風力を選択したデンマークの話。そして放射能が安全な水準になるまで、25万年間、核廃棄物を貯蔵する最終処分場「オンカロ」を建設中のフィンランドの話。現地に足を運んでの報告で、見ごたえがあった。


  共通なのは電力会社や専門家でなく、普通に生活する国民の議論と実践で決めていること。日本はこれまで原発に関して国民的議論が原子力村によって抑え込まれていた。


 もっと多くの人に、こうした脱原発の実例を見てほしい。民主党も、国会と自治体議員を含むエネルギー政策の視察団を企画したい。重要な政策活動に使うのなら政党助成金も生きてくる。

原発と人間


  福島原発事故を体験して、多くの人が考えを述べている。


  その中で、原発は人間と矛盾する存在との指摘がある。かつての東大全共闘の議長で、物理学を専攻した山本義隆氏もその一人だ。私も、核エネルギーを地球上で人工的に作り出し、利用することは、人間との関係で踏み越えてはいけない何か本質的な矛盾を感じる。


  太陽のエネルギーも元は核融合という核反応によるエネルギーではある。しかし、約1億5千万キロのかなたから届くことにより、核反応による放射能は地球上の人間にはほとんど影響がない。というよりも、人間を含む地球上の生物は太陽からのエネルギーと共存できるもののみが生まれ、そして残っていると考えるべきだ。


  自然に生み出された太陽に代わって、人工的に地球上に作り出された原子力は人間と共存で来るものなのか。原子力が生み出した核兵器と原発は深刻な矛盾を人間世界に突き付けている。


  科学技術は知識の蓄積ができるために、いったん誰かが考え出すと、基本的には他の人でも同じものが作れる。そこが個性による作品である芸術と違うところだ。


  科学技術を取捨選択する英知を人間が発揮できるか、私にとって若い時からの課題だ。

ドイツ大使と会食


  昨日はドイツの大使と会食。ドイツのメルケル首相が福島原発事故の直後に古い型の7基の原発を停止させ、2022年までの残りの原発も停止させる決定をしたことについてその背景を聞いた。


  大使は「メルケル首相は物理学者で、合理的な判断をする人。日本のような高い技術を持つ国でさえ、原発事故が起きた以上、これまでの安全に関する考え方を変える必要があると判断した」と述べた。


  私自身が原発に対する考え方を変えたのと全く同じ理由だ。


  今日は「脱原発を目指す首長会議」の設立総会がある。静岡県の湖西市の市長、三上さんから連絡があった。連帯のメッセージを送った。


  自治体議員からも多くの声が上がっている。まず、民主党内で「緑会議」といったものを作ろうという動きがある。自治体議員を含めた会議の場合、全国的な広がりがあるので、直接集まることが難しい。インターネットを活用した「会議体」を検討している。私も全面的に協力したい。

(続)買い取り価格


再生可能エネルギーによる電力の買い取り条件で、バイオマスについてもかなり配慮されている。


  東京など大都市には大量の食品廃棄物や下水、糞尿といったバイオマス資源がある。これを再生可能エネルギーとして活用すれば、都市のエネルギー自給率はかなり高くできる。


  今回の案で、下水汚泥のガス化や家畜糞尿のガス化について約41円/KWHとしたことは、従来あまり活用されていなかったバイオマス資源の利用を促進する効果が期待できる。

買い取り価格


  固定価格買い取り制度(FIT)の条件が審議会から近く示される。報道されているような比較的良い条件であれば再生可能エネルギーへの投資が急増する。多少高めの価格を提示することは、欧米に比べて大幅に遅れている再生可能エネルギーを促進する上で良いことだ。


 今日の脱原発ロードマップを考える会で、エネルギー基本計画の素案を議論している経産省の総合エネルギー調査会の状況を聞いた。昨年7月の、菅内閣で決めたエネルギー環境会議で示された方針の下で議論をしているという説明。この方針には「原発への依存度の低減シナリオ」と書かれている。しかし、この方針と全く矛盾する意見も出されており、注意が必要。

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