今日の一言

ロードマップ案の提示時期


  昨日、国会で行われた「さよなら原発1000万人署名報告集会」に出席。

 

 今日は、「脱原発ロードマップを考える会」に出席。再稼働しないまま廃炉に向かう場合と2025年に全ての原発を停止させる場合のコストの差について、原子力安全委員会、資源エネルギー庁、国家戦略室、それに加え、検討を依頼していた民間の専門家から話を聞いた。


  検討結果は、脱原発を即実行しても2025年まで稼働させたうえで脱原発を実行しても、国全体としてのコストに大きな差はないという結論。安全性を考えれば、できるだけ早い時期に脱原発を進めるべきということになる。


  政府は、エネルギー・環境会議で、今月中にも選択肢を示すと言っている。「脱原発ロードマップを考える会」としても、今月中にはロードマップ案を提示したいと考えている。

大飯原発の再稼働


 大飯原発の再稼働問題が注目されている。私は、夏の電力不足は電力会社間の融通と省電力の徹底でクリアできると考えている。今、議論している「脱原発ロードマップ」では、このまま再稼働しないで廃炉にした場合どうなるかを検討している。


  電力会社としては燃料費などの増大で収支が悪化するだけでなく、資産としてきた原発が無価値となることからも経営が厳しくなる。しかし国全体でみれば、安全性が確保されることに加え、核廃棄物が増えず、再処理が不要になるなど経済的にも利点は大きい。


  結論的には「脱原発」の方針をできるだけ早く決め、そのうえで必要となる対策を検討すべきと考える。

国会事故調の論点整理


  6月9日に発表された国会事故調の論点整理において、官邸の「過剰介入」という指摘がなされ、注目が集まっている。たしかに、本来、原災法が想定していた仕組みでは、原子力発電所の敷地外(オフサイト)に関しては「オフサイトセンター」を中心に対応し、敷地内(オンサイト)での原子炉に対する事故対応は事業者である東電が中心に対応する仕組みになっていた。その意味では、事故発生から3月15日に政府・東電統合対策本部が東電本店内に設けられるまで、官邸が中心になって事故収拾に直接関与したのは異例と言えるだろう。

  

  しかし、異例ではあるが、今回のような、東電も保安院も想定していなかったシビアアクシデント(過酷事故)が起きた状況においては、官邸として、そうせざるを得なかったのが現実であった。その事が、国会事故調に理解されていないとしたら残念である。


 事故発生直後から、東電からは官邸や本部長である総理に、電源車の搬送への協力要請や、住民避難を必要とするベントの了解を求めてきた。さらに、今回のシビアアクシデントでは原子炉や使用済み燃料プールへの注水においても東電単独では実行できず、自衛隊、消防、警察など各方面に官邸から出動を要請するなど、オンサイトに関することも含めて事故対応に当たらざるを得なかった。本来、事故対応の中心となるべき原子力安全・保安院が、事故発生当初、組織として機能しない中で、もし官邸が動かなかったならば、結果はどうなったか。私は、他の政府機関が十分に動かない以上、官邸として、また原災本部長として、直接対応せざるを得なかったと、今でも考えている。


 「撤退問題」では、発電所長をはじめ現場の皆さんは最後まで頑張る覚悟であったことは、その通りだと私も思っている。しかし、清水社長が経産大臣と官房長官に電話をし、両大臣が「会社としての撤退の意思表示」と受け止めたという事実は大きい。これを官邸の誤解と一蹴するのは、やはり一方的な解釈と言わざるを得ない。


 こうした解釈の背景には、国会事故調が入手したいかなる情報があるのだろうか。例えば、国会事故調の担当委員は東電本店と福島第一サイトのテレビ会議の記録を見て調査したと述べている。そうであるなら、原発事故発生から今日までの記録を、私が東電本店で社長や会長など約200人の東電幹部を前に話した場面も含めて、国会事故調の責任において全て公開していただきたい。そのことによって、真実と真相が、より公正かつ正確の明らかになるのではないだろうか。

日本は立ち行く


 現在、全ての原発は停止している。全原発を再稼働させず、停止したまま「脱原発」に向かうとどうなるかを検討している。



 検討項目は①安全性、②電力不足、③経済的問題の3点。停止したまま廃炉に向かえば「①安全性」では最も高い安全性が確保できる。

「②電力不足」については、短期的には関電管内がかなり深刻だが、電力会社間の融通、省電力の徹底など国民の理解と協力があれば何とか乗り切れると考える。長期的には対応は十分可能。

問題は「③経済的問題」だ。昨日の野田総理の記者会見も、「日本が立ち行かない」というのは、電力不足以上に、電気料金の値上げなど、主に経済的な理由を考えてのことだと思う。しかし、原発の運転を続けたときのすべての原発のコスト、つまり、電力会社の収支や電力料金だけでなく、核廃棄物の処理など、国として現在から将来に向けて必要となる全体のコストを考えると、早く原発をやめた方がコストは小さくて済む。



早期の「脱原発」という方向を決めて、その前提で全ての政策を考えれば、日本は十分立ち行くはずだ。

 最近、「脱原発」に関連して、大学生など若い人の集まりに呼ばれることが多くなった。大学祭からも声がかかっている。若い人が自主的に「脱原発」の関心を持つことは大歓迎。できるだけ応じるようにしたい。

核燃料サイクル


  昨日、ロードマップを考える会で、原子力委員会、資源エネルギー庁、国家戦略室の担当者を呼んで、原発のコストについて話を聞いた。特に、再稼働をせずに廃炉にした場合と、2030年まで稼働させ、そこで廃炉した場合の比較を聞いた。そうした試算はないとの返事で、試算したうえで説明するように求めておいた。


  現在考えられている「核燃料サイクル」では、使用済み燃料は今後国内で再処理してプルトニウムを取り出し、そのプルトニウムを高速増殖炉『もんじゅ』で燃やして発電するというもの。しかし、再処理も高速増殖炉も技術的、社会的問題が解決せず、実際には動いていない。


  他方、使用済み燃料プールはほぼ満杯に近い状態にある。原発を稼働させれば、電力会社の収支は改善されるが、使用済み燃料など核廃棄物が増大し、その処理コストを考えると、早く原発をとめた方が国家経済から見れば有利ではないかと考えている。いずれにせよしっかりした検証が必要だ。


  同時に、プルトニウムを生み出す現在の核燃料サイクルを根本的に考え直すべきだ。

スーパー歌舞伎


  昨日は、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」を観劇。原作者は哲学者の梅原猛先生。私がお願いしてメンバーとなっていただいた震災復興会議の冒頭、梅原先生は「福島原発事故は『文明災』だ」と発言。人間の営みを見直す必要を示唆された。


  昨日の観劇で、細川元総理と隣の席となり、久しぶりに話をした。「脱原発」では同意見。

国民投票


  昨日は青年会議所(JC)主催の「明日のエネルギーを考える会」に、自民党の河野太郎議員と共に出席。河野氏の「脱原発」は、極めて明快だった。


  経済界もこれまで電力業界に気兼ねをして脱原発や再生可能エネルギーを声高に主張してこなかったが、少し雰囲気が変わってきた。再生可能エネルギー関連のビジネスに参入する企業が急増している。


  政治社会の方が感度が鈍い。既成政党や従来型の政治家は経団連など旧体質の組織・団体の顔色をうかがっており、組織と関係ない国民の原発に対するアレルギーを十分理解できていない。


  ドイツの「脱原発」政策も、福島原発事故の直後の、緑の党の大躍進に危機感を抱いたメルケル首相が、緑の党の政策を丸ごと採用したという面がある。昨日の会で河野太郎議員も、選挙区の国会議員に「脱原発」の意見を直接伝えることが効果があると勧めていた。


  本来はこうしたテーマこそ国民投票で決めるのががふさわしい。日本では国政レベルの国民投票は、憲法改正以外は決められていない。そのため、国民投票に代わって、来年中には確実に行われる衆参国政選挙で、国民の意思を聞くことが重要だ。

原発のコスト


  原発のコストが世界中で上がっている。特に、安全性に関しては、民主化が進み、より厳しい基準を求める声が高まっており、コストアップにになっている。そのため、世界的には原発への投資が敬遠され、原発の新規建設にブレーキがかかっている。


  我が国では、福島原発事故以降、原発のコストについての見直しが進んでいる。しかし、原発の運転に伴って発生する核廃棄物をどうするか、どれだけコストがかかるか、まだ確定的な結論が出ていない。 特に、使用済み燃料の再処理や最終処分は技術的にも社会的合意も極めて困難で、これから先、どれだけコストがかかるかわからない状態。


  原子力ムラは、原発維持のために再処理が必要とし、そこから生まれたプルトニウムを消費するために高速増殖炉の開発が必要だとし、高速増殖炉が進まないためにプルサーマルが必要だとしてきた。原発維持を大義名分として巨額の資金を投入し続けようとしている。すでに、自由主義経済の原理からも大きく逸脱している。


  「脱原発」と「原発維持」を比較して、安全性では脱原発が有利なことははっきりしている。経済的にも、国家レベルで考えれば、脱原発の方が有利であると私は考えている。専門家の検証が必要だ。

直接対話


  久しぶりに、テレビ番組「ウエークアップ」に生出演。原子力規制庁や再生可能エネルギーについて自論を述べた。


  夕方には静岡県湖西市で市長主催の講演会に出る予定。湖西市の三上市長は「脱原発を進める首長の会」の主要メンバー。明日は、国分寺市の第4小学校で行われる、日本JC東京ブロック主催の[みんなで学ぼう、明日のエネルギー]に、自民党の河野太郎氏と出る予定。


  原発事故を契機に、原発などエネルギー問題への関心が高まっている。私も、国会事故調など全てに事故調のヒヤリングが終わったので、これからは「脱原発」に関し、全国各地で多くの皆さんと直接対話をする機会を持ちたい。

電力会社の将来


  昨日の「脱原発ロードマップを考える会」では、再稼働議論が激しく動いている中で、それとの関係で議論が噴出。ロードマップ案の文面を含め、世話人で再検討することとなった。


  現在すべての原発が停止しているが、停止したまま「脱原発」を進めるとしたら、何が問題となるかをさらに詳しく検証している。


  再稼働問題では、これまで①安全性確認が十分か、②電力が不足するか、を中心に議論されてきた。しかし実は、再稼働を進めようとしている動きの背景にもう一つの大きな論点がある。それは、③現時点で再稼働しないまま廃炉にすることを決めた場合に、電力会社が債務超過になり、経営が破たんしかねない、という問題だ。この問題は、電力会社自身にとってはもちろんだが、規制官庁にとっても極めて重要な問題。


  JALの破たんの時、法的破たん手続きによる債務処理、リストラなどを、定常運航を続けつつ順次処理した。電力改革においても、原発を持つ電力会社が、突然破たんするのは避けなくてはならない。 まずは東電について、将来像を描く必要がある。


  今回の原発事故により、原発事業は一民間企業が完全に責任を持てる事業ではないことが明らかになった。事故発生直後は、事故収束作業と被害者への補償を、当事者である東電中心に進める必要があった。しかし事故から1年以上経過した今日、将来の原子力事業の在り方を考えると、まず発送電分離とともに、東電から廃炉事業を含め原発部門を切り離すことを検討すべき。他の電力会社も、今回のような原発事故を起こした場合に完全に責任が持てない以上、原発部門の切り離しを検討すべき。


  再稼働問題は、電力会社の経営問題と深くかかわっており、そのことを国民の前に明らかにする必要がある。

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