最近の田中角栄ブーム


 最近、田中角栄氏に関する出版が続いている。中には田中政治と対決するために「青嵐会」を立ち上げた石原慎太郎氏の本もある。こうした傾向について先日取材を受けた。

  率直に言って私は今の田中角栄ブームに違和感を覚えている。確かに田中政治は地元に大きな恩恵を与えた。その点は否定しない。しかし、田中政治のもう一つの本質、お金の力で政治力を生みだすという「金権政治」を忘れてはならない。そして今、その傾向が再び復活しつつあるからだ。

 私は1974年、田中内閣の時に行われた「金権選挙」と呼ばれた参院選で、市川房枝さんを担ぎ出しその選挙事務長を務めた。第二位で当選した市川さんは第三で当選した青島さんと経団連に乗り込み、自民党への政治資金を経団連が集めることをや止めるように申し入れた。それに対して当時の経団連会長土光さんは「分かった」と言って経団連による組織的政治資金集めを止めた。

  今経済界はこぞって自民党に献金お申し出ている。保育や介護などに充実よりも、労働法制や租税特別措置などで、企業=株主の利益になる政策を自民党にやらせたいからだ。民主的な議論で法案が決まるのならいいが、政治献金によるお金の力で政策が決まるのは民主主義ではない。

  私は1976年、田中元総理が逮捕された直後のロッキード選挙に、金権政治を批判して初めて衆院に無所属で立候補した。私が批判した「金権政治」はお金の力で政治を買い占める政治だ。たとえば電源三法という名の法律により、原発を立地した自治体には大きなお金が支払われた。新潟の柏崎刈羽原発はこうした制度の下に建設された。原発の廃止を阻んでいるのも金権政治の力だ。  

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