「規制の虜」を読む


    黒川清国会事故調元委員長の著書「規制の虜」を読んだ。

  福島原発事故に関して、いくつかの事故調査委員会が生まれた。私は当時総理として、政府からも電力業界からもできるだけ第三者的な立場の各分野の専門家に集まっていただいて政府事故調を立ち上げ、自主的な事故調査をお願いした。

 これと共に、政府から完全に独立した国会の責任の下での独立した事故調査が必要として生まれたのが国会事故調だ。黒川委員長は政府からも企業からも独立した調査委員会を国会の責任の下で設立すべきと呼び掛けられ、その委員長の就任され、大変な苦労をされ、現在も元委員長として貴重な意見を表明されている。

  著書は福島原発事故という問題からさらに、日本という国の抱えている問題に深く切り込んでいる。この著書の冒頭の一文を紹介したい。
 「志が低く、責任感がない。自分たちの問題であるにもかかわらず、他人事のようなことばかり言う。普段は威張っているのに、困難に遭うとわが身かわいさからすぐ逃げる。これが日本の中枢にいる『リーダーたち』だ。
 政治、、行政、銀行、大企業、大学、どこにいる『リーダー』も同じである。日本人は全体としては優れているが、大局観をもって「身を賭しても」という真のリーダーがいない。国民にとって、なんと不幸なことかー。
 福島第一原子力発電所事故から5年が過ぎた今、私は、改めてこの思いを強くしている。」

  もちろんこの批判の対象には私を含む政治家も含まれているが、国際的にも広く活動している著者の福島原発事故を通して見えてきた日本の現状そして将来を憂う叫びだ。
     

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