サンダースと日本の格差社会


   バーニー・サンダースの自伝を読み終え、なぜアメリカがそして日本までもがこの数十年で所得格差と資産格差がこれほどまでに拡大したのか考えている。

  日本の場合ある時期まで、株式会社はいわば江戸時代の「藩」のような共同体的な性格を持っていた。私の亡くなった父は一つの会社に40年以上勤め、サラリーマン経営者になった。その父は「自分は社員を食わせるために仕事をしている」というのが口癖だった。つまり、株主の利益のためでもなく、金を借りている銀行のためでもなく、その会社の社員に生活が成り立つような給料を払えるようにするために仕事をしているという意味だ。

 日本では戦後の農地解放や財閥解体などで資産階級が崩壊し、復興後には一億総中流社会と呼ばれ、労働者と資産家の階級対立はなくなったと感じられていた。しかし今日、強欲資本主義が力を増し、正規、非正規の労働者の賃金は低迷を続け、資産家階級との格差が急激に拡大してきた。今の経営者はリストラで社員の首を切っても、それで株価が上がり、株主の利益になれば莫大な賞与を受け取っても当たり前という時代だ。

  まさに強欲な資本主義の資本家の忠実なしもべに経営者が成り下がってきたのだ。そして「会社の利益=株主の利益」を代表する政治家を国会に送り、従業員ではなく株主の利益になる政策を続けた結果が今の日本の格差社会を生み出したのだ。

 この矛盾の拡大をどう正していくのか、課題は大きい。  

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