バーニー・サンダース自伝を読む


   アメリカ民主党大統領予備選で大健闘したバーニー・サンダース自伝(大月書店)を読んでいる。

   1941年生まれ。民主社会主義者であることを表明し、各種選挙に若くして何度も無所属で立候補して落選。1981年、39歳で初めてバーリントン市長に当選。1991年、49歳の時に無所属で下院議員に当選。2007年、65歳で無所属で上院議員に当選。2015年民主党に入党し、2016年民主党の大統領予備選に出て大健闘。

  サンダース氏の立場は一貫している。一握りの金持ちや大企業の利益しか代表しない政治に対抗して、働く人々や低所得者や中間層の利益ために戦うことを明確にしている。サンダース氏は低所得層、中間層のための政策を市長として、国会議員として、あらゆる政治的な駆け引きを駆使して推し進め、その成果を有権者に納得させてきた。
 
 彼が一躍全米に名を挙げたのは、金持ち優遇のブッシュ減税の延長に断固反対するために、8時間30分以上のフィリバスター(採決を引き延ばすための演説)を行った時である。彼は言う。「金持ち優遇の政策を推し進めてきた結果、富裕層の上位5%が全資産の63%を握っているのに対し、下位50%は全資産の1%を占めるに過ぎない。」

  サンダース氏の主な政策を挙げれば、①富裕層と大企業への課税強化。所得税の累進性を強化し、富裕層、ウオール街の投資家たちに増税する。②最低賃金を、2020年までに、時給7.25ドルから15ドルに引き上げる。③公立大学の授業料をタダにし、貧しさゆえに大学進学をあきらめることを無くす。④公的医療保険による国民皆保険制度を作る、などだ。

  かつて、一億総中流と言われた日本も、急激に経済格差が拡大し、世代を超えて固定化している。自民党の富裕層優遇政策がこの傾向を推し進めている。こうした状況は社会を不安定にし、経済成長にもマイナスだ。民進党はサンダース氏と同様、中、低所得層の利益を守る姿勢を明確にすべきだ。

  おおさか維新は、連合など大きな労働組合を既得権益集団と敵視して、関西において中・低所得の庶民を味方につけることに一部成功している。しかし、正規労働者と非正規労働者を敵対させることは、結局労働分配率全体を引き下げるだけで、非正規労働者の賃上げにはつながっていない。    

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