東洋経済オンライン「東電は官邸に責任転嫁している」


  今日配信の東洋経済オンラインに「菅元首相『東電は官邸に責任転嫁している!』」「『炉心溶融』を隠ぺいしたのは誰なのか?」の記事が出ました。東電が依頼した3名の弁護士からなる自称「第三者検証委員会」の報告書について取材を受けた内容だ。関心のある人にはぜひ読んでほしい。

  東電をはじめとする電力各社は3・11事故以前から各種原発事故について、真相を隠し、事故を小さく見せようとしてきた。今回の東電の「炉心溶融」の事実を当時の清水社長の指示で隠ぺいしたことを現社長の広瀬社長が認めた。隠ぺいを認めたことは一歩前進だが、その責任を「官邸」に責任転嫁した報告書については真偽不明としている。第一、炉心溶融という事実を官邸の政治家が隠す必要など何もない。官邸のだれからの指示であったか清水社長は覚えていないというが、まさにそれこそ責任転嫁だ。官邸には政治家、官僚、東電関係者が詰めていた。誰から指示があったのかを調べないで、東電関係者の調査だけで「官邸側」といったあいまいな表現で責任を押し付けることは許せない。

  今回の隠ぺいが明らかになったのは「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」からの要請がきっかけだ。この技術委員会には国会事故調の元委員などの専門家が参加している。私が事故発生当日の17時15分に東電の発電所対策本部技術班が「1号機について、炉心の露出が開始する有効燃料頂部(TAF)に原子炉水位が到達するまで1時間」と推測していた事を、政府事故調中間報告97ページで発見したのも新潟県の技術委員会の資料の指摘からだ。

  しかもこの重大な情報が当時、政府にも福島県にも報告されていなかったことを広瀬社長は国会で認めた。実際に1号機の炉心溶融はこの予測通り、事故発生当日の18時ごろから始まっていたことが今では分かっている。この報告が住民避難の範囲などを検討していた政府の原災本部に17時15分の時点で届いていれば、住民避難の時期や範囲の判断にも影響していたはずだ。

  原発の運転は東電の責任だが、住民避難の責任は原災本部にある。原子炉の危険性がどの程度かを原災本部に伝えていなかったというのは、今考えても東電の重大な責任だ。

 

【東洋経済オンライン】2016年6月27日
菅元首相「東電は官邸に責任転嫁している!」
「炉心溶融」を隠ぺいしたのは誰なのか?
http://toyokeizai.net/articles/-/124548

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