事故発生当日の1号機のメルトダウン予測が政府に伝えられず


  東電は今年の2月24日、マニュアルに従っていればメルトダウンが起きていたことを3日後に発表しなければならなかったが、マニュアルを確認せず、2か月間発表しなかったと謝罪した。


  しかしこのことが判明した平成27年度第4回新潟県原発管理技術委員会報告を読むと、さらに重大なことが明らかになった。それは事故発生当日の3月11日17:15分には「1号機水位低下。ダウンスケール時の-150cm。現在のまま低下していくとTAF(燃料頂部)まで1時間」情報班メモ(政府事故調)という記述がある。つまり1号機は1時間で燃料棒が露出し、メルトダウンが始まるという東電の予測メモである。


  しかし当時総理の私に届いていた報告記録を見てもそうした記述は見当たらない。逆に当日22:00には1号機はTAF+550mmという連絡が東電から来ていた。


  そこで今回、当時の原子力安全保安院の後継組織である原子力規制庁に東電から「TAFまで1時間。」という連絡が保安院に来ていたかを確かめたが、来ていないという。東電にも確かめたが現時点まではっきりした返事は来ていない。


  当時東電からの報告をもとに原子力安全委員会の意見を聞いての住民避難の範囲を決めていた。1号機のメルトダウンが迫っているという報告があればもっと広い範囲の避難を早く決めていた可能性もある。なぜこうした報告が保安院に届いていなかったのか、調べている。


  この様に福島原発事故は重要な事柄についてもまだっきりしていないことが多く、検証は終わっていない。国会事故調の後継組織を国会に設けて、徹底した検証を続ける必要がある。

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