福島原発事故5周年



福島原発事故5周年を前に私も取材を受け、当時の出来事を思い返す機会が多い。


最大の山場は315日だった。311日事故が発生し、12日には1号機が水素爆発、14日には3号機が水素爆発、15日には2号機が破損し、4号機が水素爆発と、事故が拡大していった。そして15日未明には東電清水社長が海江田経産大臣に福島第一サイトから東電職員を撤退させたいと言ってきた。



しかし東電職員が撤退すれば原発を操作できる人がいなくなり、事故がさらに拡大することは明らかであった。私は東電本店に政府東電統合対策本部を立ち上げ、東電幹部を前に撤退をしないように呼びかけた。そして東電の現場の皆さんは第一原発にとどまって、命がけで注水作業を続けてくれた。東電と共に自衛隊、消防、警察の皆さんも命がけで注水に当たってくれた。そのおかげで、250㌔までの避難が必要となる最悪のシナリオに至らず、事故の拡大が抑えられた。



315日未明、私が東電幹部を前に話した場面は、東電のテレビ会議で画像は公開されたが音声は公開されていない。そこで私の話した内容を同行した官邸スタッフが聞き取り、メモを起こしたもを私の著書にはすでに載せているが、今回改めて本ブログで以下公開する。

 「今回の事故の重大性は皆さんが一番分かっていると思う。政府と東電がリアルタイムで対策を打つ必要がある。(政府東電統合対策本部を立ち上げ)私が本部長、海江田大臣と清水社長が副本部長ということになった。これは2号機だけの話ではない。2号機を放棄すれば1号機、3号機、4号機から6号機、更には福島第二サイト、これらはどうなってしまうのか。これらを放棄した場合、何か月後かには、すべての原発、核廃棄物が崩壊して放射能を発することになる。チェルノブイリ(原発)の2倍から3倍のものが10基、20基と合わさる。日本の国が成立しなくなる。

 何としても、命がけで、この状況を抑え込まない限りは、撤退して黙って見過ごすことはできない。そんなことをすれば、外国が『自分たちがやる』と言い出しかねない。皆さん当事者です。命を懸けてください。逃げても逃げ切れない。情報伝達は遅いし、不正確だ。しかも間違っている。皆さん、委縮しないでくれ。必要な情報を挙げてくれ。目の前のこととともに、10時間先、1日先、1週間先を読み、行動することが大切だ。

 金がいくらかかっても構わない。東電がやるしかない。日本がつぶれるかもしれない時に撤退はあり得ない。会長、社長も覚悟を決めてくれ。60歳以上が現地に行けばいい。(私も60歳を超えている)自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない。撤退したら、東電は必ずつぶれる」


  以上が私の発言内容だ。当時の私の決意は分かってもらえると思う。


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