薬害エイズ事件と原発


我が家では新聞大好きの妻が、「この記事は読んだ」と丸を付けて私に差し出してくれる。大変助かる。


  かなり前だが、今年1月25日の付の日経新聞「事件は問う、戦後70年」の薬害エイズ事件(1996年)の記事もそうした一つだった。アメリカから輸入された血液で作られた血液製剤によってエイズ感染した血友病患者が製薬メーカーや国を訴えた事件。


  私は厚生大臣になる前からこの問題に取り組んでいた。1996年、厚生大臣になったのを契機に、官僚に任せないで大臣の直接指示による徹底した調査を開始し、厚生省の間違いが明らかになったのでそれを認めて謝罪し、原告である患者さんたちとの和解を実現した。


  この時の経験が官僚任せにしないという私の原点になったように思う。もっとも当時厚生省として最大の政策課題は「介護保険制度の創設」であった。この問題では私と厚生官僚の皆さんの意見は一致していたので、全面的に協力して法案化を進め、国会に提出した。


  政治主導という言葉がいろいろに使われるが、専門家である官僚の能力を活用することはもちろん極めて重要である。しかし、薬害エイズでも被害の拡大の原因に薬務官僚の薬メーカへの天下りがあった。事件発生当時、元薬務局長が血液製剤の国内最大のメーカに天下りしていたのだ。これでは官僚任せでは是正できない。官僚は先輩官僚の間違いや失敗を組織的に徹底して隠すからだ。


  原発政策でも同様だ。経産官僚の多くが原発関連団体に高給で天下りしている。このことを放置して、経産官僚任せの原発政策は国を滅ぼす。安倍総理の経産官僚任せの原発政策はまさにこれだ。

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