地中熱(温度)活用の省エネ技術


  先のアイルランド訪問では、地中熱とヒートポンプの組合せによる省エネ技術を活用した冷暖房機を開発した企業を視察。世界的に展開しつつあり、日本にも進出している。その原理を紹介したい。

 

  この技術は 地表から10mより下の地中の温度は年間を通してほぼ一定で、地表の年間平均温度であることを利用する省エネ技術である。井戸水の温度が一年を通してほぼ一定であるのと同じ原理だ。水を循環させて地中の温度と同じ温度にした水を取り出す。この水とヒートポンプと組み合わせれば、夏は外気より水の温度が低いので少ないエネルギーで冷房が出来、冬は外気より水の温度が高いので、少ないエネルギーで暖房ができる。パッシブエネルギーとも言われる技術で、省エネ効果は極めて大きい。

 

  この技術を日本で本格的に利用しているのはスカイツリー。視察したが大きな効果を上げている。一般住宅でも利用可能だが難点は地下10mまで掘る工事が必要なこと。新築住宅の場合基礎工事と一緒に掘れば安く掘れるはずだが、今のところ採用する新築住宅が少なくて割高のようだ。

 

  このように、無駄に消費しているエネルギーを供給するのではなく、従来より少ないエネルギーで従来以上の効果を上げるのがこれからのエネルギー産業。すでにドイツは経済成長は続いているが、国全体のエネルギー消費は減っている。そして少なくなったエネルギーを再生可能な自然エネルギーでまかなう。これが21世紀型のエネルギーシフトの姿だ。

 

  今だに原発に頼ろうとするのは、20世紀型の古いビジネスモデルである事を経済人こそが認識しなくては、世界の趨勢に取り残される。

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