吉田調書からわかる事実が重要


  産経新聞による吉田調書の報道が進んでいるが、朝日新聞とは見方や解釈が違うのは両新聞の性格上当然と言える。


  私は吉田調書からまず読み取るべきことは、当時誰がどう思ったとか、その時の行動をどう評価するかということ以上に、まず事実がどうであったかを読み取ることだ思う。


  例えば、原発事故発生当初、1号機の水位計の誤動作が分からず、1号機のメルトダウンが11日夕方には始まっていたことを現場も把握していなかったこと。1号機への注水は淡水がなくなったら海水を注入するつもりで早い時点から現場は準備を進めていたこと。そのとき1号機建屋で原子炉のメルトダウンによって発生したと思われる水素による水素爆発が起きたこと。水素爆発は予想できていなかったことなどだ。


  また15日も、2号機の破損の衝撃音と4号機の水素爆発の後、2Fに大半が避難したこと。午後には戻ってきたことなども読み取れる。


  そうした事実をどう評価するかは人によって異なることもあるだろう。私は福島第一の現場の皆さんはよく頑張ったと当時も今も思っている。


 しかし東電本店から官邸に派遣されていた東電フェローの原発の専門家が海水注入を停止させようとしたこと、14日から15日の東電社長の申し出を経産大臣、官房長官、補佐官が撤退の申し出と受け止めたことなど、これも事実だ。吉田所長以外の東電関係者の調書も全面的に公開するべきだ。

今日の一言 トップに戻る