吉田調書を産経新聞も報道


  吉田調書について、朝日新聞に続いて産経新聞が入手し、それに基づく報道を始めた。吉田調書の信ぴょう性が高まり、その点で大いに歓迎だ。

 

  福島原発事故については事故当時には、現場でも正確な状況把握ができていなかったことがその後の検証で明らかになっている。そのため当時の報道は多くの点で間違った事を事実として伝えている。例えば1号機について、事故当日の夜まで水位が燃料棒の上にあるからメルトダウンは始まっていないと東電から報告を受けていた。しかし、その後の検証では水位計の誤動作で、実際には当日の午後6時50分ごろにはメルトダウンが始まっていたことが分かっている。

 

  私が福島原発の現地に行った3月12日早朝には1号機のメルトダウンは相当進んでいた可能性が高い。ヘリコプターからバスに乗り免震棟に入った時、ヘリできた人もサイト内の作業員と同じように、被曝の検査を受けさせようとしたのは、今考えるとサイト内の線量が相当上がっていたためだったのだと思う。

 

  3月12日午後には最初の水素爆発が1号機で起きた。メルトダウンが発生した時水素が発生する可能性があることを外部の専門家から聞いていた。その心配を原子力安全委員長に伝えたが、格納容器は窒素が充填されているので大丈夫という返事だった。

 

  この様に、事故発生から数日間は現場でも、東電本店でも、原子力安全委員会でも多くのことが正確に把握できない状態だった。だからこそ、吉田調書を始め当時の東電関係者の証言は極めて重要だ。

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