吉田調書の公開を阻む安倍政権


吉田調書が大きな波紋を呼んでいる。福島原発事故の現場責任者であった吉田所長の聴取結果報告書は事故原因の究明や今後同様な事故に対応する上で極めて重要。

 

しかし、原発事故に対する備えを判断する原子力規制委員長にもこの報告書は示されておらず、田中委員長は「読んでいない。知らない。」と答えている。菅(すが)官房長官は記者会見で調書を開示しないと言っている。

 

政府事故調査委員会は私が総理の時、失敗学の権威である畑村氏に委員長をお願いして作った。私自身も調査対象であったので調査の進め方は委員会の自主性に任せた。今後の事故対策に役立つ事故調査の結果は報告書で公開されるものと考えていた。吉田所長の証言や東電のテレビ会議の内容は事故の真相を知る上で極めて重要であり、公開すべきだ。

 

なぜ菅(すが)官房長官は 吉田調書の公開を阻むのか。原発事故当時の極めて危機的な状況が国民に伝わり、原発の安全性についての国民の不安が高まるのを恐れてのことと思われる。

 

福島原発事故は私が総理であった民主党政権の下で発生した。総理であった私はもちろんのこと、民主党政権全体にも大きな責任がある。同時に、福島原発を含む54基の原発は全て自民党政権下で建設され、運転が許可されたものであり、歴代自民党政権にも大きな責任がある。事故の原因を始め、事故の真相を徹底的に調査し、検証することは政権が自民党に戻ったからといって、おろそかにしていいはずはない。

 

安倍総理は吉田調書など、今後の原発事故防止に役立つ政府事故調の資料は全ての公開すべきだ。国会事故調の資料も議運で自民党が賛成すれば公開できる。与党に戻った自民党が公開に消極的になっているのは東京電力の隠蔽体質に自民党が取り込まれた結果ではないか心配だ。

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