原発事故に関する異なる二つの考え方


 原発事故に関する異なる二つの考え方。

 参院選3日目の7月6日、私は比例候補のツルネン・マルテイさんと浜岡原発の見える場所で遊説を行った。

 遊説前に、浜岡原発に併設された原子力館を訪問し、中部電力の担当者から説明を聞いた。津波を防ぐ堤防工事や高台に電源を設置したといった福島原発事故を想定した浜岡原発の改良工事について詳しく説明してくれた。説明が終わったところで私から一つだけ質問した。「福島原発事故と同程度の事故が浜岡原発で起きた場合、何人の避難が必要となり、近くを通る新幹線や東名高速を含め、経済活動にどういう影響が出ると想定していますか」という趣旨の質問だ。当然の質問だ。しかし、中電の担当者は「それは防災計画の問題で、私たちは事故を防ぐために努力している立場です。」と、口を濁した返答しか返ってこなかった。

 このように原発事故に関する第一の考えは。事故が起こる原因をできるだけ少なくすれば、原発を稼働させてもよいというものだ。それに対して第二の考え方は事故が起きた時の人的、経済的被害が大きいと予測される場所の原発は稼働させない、作らないというものだ。

 今年6月、米国カルフォルニア州のサンオノフレ原発の再稼働に反対する市民グループから呼ばれ、集会に参加したNRCの元委員長のヤツコ氏と話す機会があった。彼は原子力技術者だが、今は第二の考え、つまり事故が起きた時に大きな被害が予想される所では、原発を稼働させないという、立場に立っている。そして、集会の2日後、サンオノフレ原発を所有する電力会社がサンオノフレ原発の廃炉を決めた。

残念ながら我が国では、原発の可否に関して、事故の可能性が高いか低いかが議論の中心で、事故が起きた時の被害が大きいかどうかが判断の基本になっていない。事故は必ず起きる。それが何時、何処で起きるかは分からないが何時か、何処かで起きることは間違いない。人口が稠密な日本に原発が稼働できるところはない。

今日の一言 トップに戻る