吉田所長の死を惜しむ


  吉田所長が亡くなった。

 

  福島原発事故の現場の極限状態の中で、事故の拡大を必死で食い止めようと戦った。壮絶な戦死ともいえる。

 

  私が吉田所長に最初に会ったのは事故発生翌日の早朝、福島第一サイトの免震棟でだ。東電本店から官邸に来ていたスタッフに何を聞いても全く要領を得ない中、吉田所長は状況を明確に説明し、ベントの実行を確約してくれた。この男なら信頼できると強く感じた。

 

  吉田所長の活躍がなければ事故はもっと拡大していた可能性が高い。事故発生の翌日の夕刻、東電上層部からの海水注入停止の指示に対し、吉田所長は現場の責任者として、また技術者の立場から注水の継続が必要と判断し、上層部の意向に反して独断で海水注入を継続した。英断だ。

 

  逆に当時安倍晋三氏は「海水注入を止めたのは菅総理。即刻辞任しろ」とメルマガで私への辞任を迫ったのもこの件だ。東電本店のウソの情報を振りかざして、原発事故までも政争の具にしようとした安倍氏の態度は今でも許せない思いだ。<

 吉田所長とは東工大の同窓でもあり、病状が回復されたらゆっくり話をしたいと思っていた。本当に残念。心からご冥福をお祈りします。

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