電力業界の新しいビジネスモデル


  民主党内に「エネルギー・環境調査会」が設けられることになった。私にも「顧問」としての参加要請があり、引き受けた。


  最近、電事連を中心に経済界の「脱原発」に反対するキャンペーンが激しくなっている。その論点の中心はゼロシナリオになった場合、国際競争力が低下し、雇用減にもつながる、というもの。



  しかしこの主張はあまりにも一面的だ。まず第一に、福島原発事故が拡大していれば、日本経済は壊滅的打撃を受けたという点を全く無視し、原発事故は起こらないことをすべての前提としている点だ。


  第二に、原子力に代わるエネルギーとして、再生可能エネルギーや省エネルギーへの投資の経済効果を全く無視している点。太陽光や風力などの再生可能エネルギーに対する投資は急増している。再生可能エネルギーは地域分散型なので、地方の雇用拡大にもつながる。

  

  第三に、脱原発に舵を切ったドイツやデンマークが国際競争力が低いとは言えない点。原発のコストは事故への補償や使用済み燃料を長期間隔離する費用などを考えると、再生可能エネルギーに比べても長期的には安いとは言えない。


  電力業界も原発に依存しない新しいビジネスモデルを真剣に考えてほしい。福島原発事故は民間企業が原発について全責任を負うのは不可能であることを証明した。原発を国が作る原発公社に移し、同時に発送電分離を実行し、従来の電力会社は原発以外の発電会社となればよい。そして再生可能エネルギーや地域への熱供給といった分野に進出すればよい。未来に夢の持てるビジネスとなることは間違いない。

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