菅直人が語る原発事故(3)


菅直人が語る原発事故(3)(2012.7/25

<原子力災害特別措置法>

 原発事故など原子力災害が起きた場合にどのように対処するかを定めたのが原子力災害対策特別措置法、通称原災法である。この法律は1999年の東海村JCO臨界事故の反省に立って制定された法律である。JCO事故は原発の事故ではなく、核燃料を扱う会社が起こした臨界事故で、急性被曝で2人の人が亡くなった。

この法律では、重大事故(シビアアクシデント)が発生した時は、総理を本部長とする原災本部を設置し、その事務局は経産省原子力安全保安院が担うことになっている。また、

原発事故の場合、原発の敷地内(オンサイト)の原子炉などへの対応は事業者である電力会社が責任を持つ。そして、住民避難など原発敷地外(オフサイト)の対応は原発の近くに設けられたオフサイトセンターに関係者を集め、現地対策本部を作り、方針を決定し、原災本部長である総理大臣の了解を得て実施するという仕組みになっている。

 しかし今回の原発事故では、そうした仕組みは法律が予定した通りには全く機能しなかった。まずオフサイトセンターに設ける現地対策本部の本部長となる経産副大臣が、地震による交通渋滞のためにオフサイトセンターへの到着が翌日の未明まで大幅に遅れた。その上、停電や通信回線の不通、自治体関係者などが集まれないなど、オフサイトセンターは予定された機能を果たすことはできなかった。これは地震と原発事故が同時に発生することを想定していなかったことに原因がある。結局、事故発生から4日後の315日、オフサイトセンターは福島県庁に移転した。

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