(続)原発事故の根本原因


  福島原発事故の根本原因の大半は3.11以前にある。


  福島第一原発は約40年前、海岸沿いの海面から35メートルの高台を海面から10メートルの高さまで削って建設された。海水の汲み上げが容易という経済的理由だ。しかし、歴史の本を読めばこの地帯は何十年か何百年かおきに大きな津波が来ることは知られていた。東北電力の女川原発は、建設当時、東北出身の幹部の強い主張で高いところに建設されたということだが、東電の当時の幹部は津波の歴史を無視した。


  原発の安全性に責任を持つ原子力安全保安院が、原発を推進する経産省に置かれたのは、橋本行革という名のもと科学技術省が文科省に統合され、科学技術省にあった原子力安全局が経産省に移された時からだ。原子力安全保安院が安全性をないがしろにする「やらせ」を主導していたことはすでに明らかになっている。


  福島原発事故の根本的原因を知るためには 昨年,3.11の時点で責任ある立場にいた人だけでなく、福島原発をはじめ、多くの原発を建設し、原子力安全制度を作った当時、責任ある立場にあった人に話を聞く必要がある。


  私が厚生大臣の時に薬害エイズ問題の原因解明に取り組んだが、薬害エイズの原因となった血液製剤開発当時からの関係者、責任者も当然調査の対象とした。


  今回の福島原発事故では、事故発生当時の関係者からの取材や調査は行われているが、原発を作り、原子力安全制度を作った当時の責任者の話は伝わってこない。

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