原発と人間


  福島原発事故を体験して、多くの人が考えを述べている。


  その中で、原発は人間と矛盾する存在との指摘がある。かつての東大全共闘の議長で、物理学を専攻した山本義隆氏もその一人だ。私も、核エネルギーを地球上で人工的に作り出し、利用することは、人間との関係で踏み越えてはいけない何か本質的な矛盾を感じる。


  太陽のエネルギーも元は核融合という核反応によるエネルギーではある。しかし、約1億5千万キロのかなたから届くことにより、核反応による放射能は地球上の人間にはほとんど影響がない。というよりも、人間を含む地球上の生物は太陽からのエネルギーと共存できるもののみが生まれ、そして残っていると考えるべきだ。


  自然に生み出された太陽に代わって、人工的に地球上に作り出された原子力は人間と共存で来るものなのか。原子力が生み出した核兵器と原発は深刻な矛盾を人間世界に突き付けている。


  科学技術は知識の蓄積ができるために、いったん誰かが考え出すと、基本的には他の人でも同じものが作れる。そこが個性による作品である芸術と違うところだ。


  科学技術を取捨選択する英知を人間が発揮できるか、私にとって若い時からの課題だ。

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