デンマークの水素コミュニティーを視察


<自然エネルギーを水素に変えて活用する大胆な試み>

 

デンマーク視察

デンマーク視察時の写真。H2の看板が水素を表現している。

デンマークでは70年代に原子力発電所を造るという政府の案に対して大議論が起き、最終的には原子力発電所は造らないで、自然エネルギーを積極的に進めるという決定を議会が行いました。

 

私は今年の1月にデンマークを視察したのですが、その時特に私の関心を引いたのは、風力発電所で出来た余剰の電力を使って水を分解して水素を作り、その水素をパイプで各家庭に送り、小型燃料電池を使って電気と熱を発生させるシステムでした。まだ実験的な段階ですが、街単位で再生可能エネルギーから水素をつくり、それを利用するという意欲的な試みでした。

 

私がびっくりしたのは、これまで水素という物は爆発性が高いという事で、扱いにくいとされて来たのが、身の回りでも使えるということでした。これまでも天然ガスとかプロパンガスは家庭でも使って来たのですが、水素は私が見た中では初めてだったんです。

 

従来から自然エネルギーの問題点とされて来たのは、風とか太陽といった自然条件にエネルギーの発生量が左右されるので、原子力発電などに比べて安定的にエネルギーを供給することが難しいと言うことでした。これをクリアするために様々な電池や揚水発電などの手段が検討されていますが、風力や太陽光などの自然エネルギーを一旦水素に変えて、それを大量に蓄え、安全で効率的に輸送することができれば、極めて大きなブレイクスルーになります。

 

水素の活用そのものは、燃料電池の燃料などとして既に始まっています。我が国では九州大学の水素エネルギー国際研究センターなどで水素の活用を研究していて、私も4、5年前に直接行ってお話を伺いました。最近ではトヨタ自動車なども水素を用いた燃料電池車の実用化に向けて積極的に研究を進めていると聞きます。現在、こうした水素は石油や天然ガスなどからつくられるものが主ですが、将来これを自然エネルギーに置き換えて行くことも可能です。そうした意味で、水素というものに非常に可能性を感じています。

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